フクダ海洋企画について

三陸沿岸の海を誰よりも知る

1980年7月、福田民治が、潜水調査を専門とする「フクダ海洋企画」を設立。会社設立以前から、潜水調査や水中撮影の仕事に携わり、ダイバーとして活躍していました。 潜水をどう活かすか、彼は潜水を続けるうちに栽培漁業への応用にたどり着きました。栽培漁業とは、魚や貝をある期間人の手で育て、再び海に戻すという形の漁業。成功するかは育てる技術、種苗や海の状態次第なのです。そこで彼は、誰よりも海の中を知ることで、その知識を漁業者にも還元できないかと考えました。

漁業者と研究者からの信頼

 栽培漁業の研究含め、調査用途の客観的なデータ収集(ビデオ撮影)、水中写真撮影、潜水機材の開発を通じて、研究者から信頼あるダイバーとしての地位を確立しました。  一方、研究成果を漁協や漁業者に還元し、栽培漁業の生産性の向上に努めました。実際にその地域でダイバーを育成し、ダイバーを用いた新しい資源管理型漁業を実施してきたのです。

そして今、引き継がれる

 東日本大震災後、息子である福田介人も石巻に戻り、二人で潜水調査をするようになりました。彼は二代目として、研究者とのつながりを継続するとともに、自分でも積極的に活動の幅を広げています。次世代の漁業者へのダイバー指導、そして水中写真家として、全国各地の海を潜って回っているのです。絶えず海が変化していく中で、潜水を通して、研究者や漁業者との対話を行い、地域に根付いた活動、調査に取り組んでいます。

漁協・研究者の声

数多く海に潜ることで蓄積された藻場や底生生物の知識。潜水を通しての地域の漁業者との密接な関わり。
これらが研究者と漁業者をつなぐ架け橋となっています。

三陸沿岸の人と海を熟知していた。

国立大学 教授

研究すると言っても、いきなり浜で調査ができるわけではありません。漁協の許可や漁民の理解が必要となります。フクダ海洋企画はすでに多くの地域で潜水していたため、その地域の人も海の中も熟知していたのです。その結果、長期にわたる綿密な調査を行うことができました。

漁協にとって、
海の中を知れることは強みになる。

宮城県漁協職員

これまで我々が海を把握する方法は、感覚的なものでしかありませんでした。「ここ最近獲れなくなってきた」といった漁師の発言を参考にするしかないのです。しかし、調査を行うことで、この推測の是非を確かめるとともに、調査データを漁場整備に活かすことが可能になりました。

次の一手には潜水が必要だった。

岩手県漁協職員

日々、海が変わっていく中で、急に対処しようと思っても不可能です。まず海の現状を正しく把握する必要があります。そこで我々は、調査のできるダイバーとともに潜ることで、海の状況を把握し、漁民も一緒になって危機感を共有し、次の対策を考えることができたのです。